慶州 南山 仏教遺跡を辿るハイキング!(三陵から茸長まで)
こんにちは。
世界遺産の都市、慶州・南山の仏教遺跡を巡る、ハイキングコースを紹介します。
新羅千年の歴史を持つ古都、慶州・南山は「屋根のない博物館」と呼ばれるほど、輝かしい歴史が息づいているところで、山全体が2000年12月にユネスコ世界文化遺産に指定されました。
新羅の歴史が始まり、霊山・南山は、北の金鰲峰(468m)と南の高位峰(494m)の二つの峰があり、40余りの谷ごとに寺が建てられ、岩ごとに仏像と塔が造られ、仏国浄土となりました。
南山に仏像が造られ始めたのは7世紀初めと推定されています。
南山全体が新羅仏教の宝庫といわれています。 特に、三陵渓谷には磨崖仏像が多く、仏菩薩の世界のように多くの仏像が残っており、茸長渓谷は南山最大の渓谷で、石塔や三輪台座仏、茸長寺址などと共に、多くの説話が伝えられています。 このコースは南山巡礼および文化遺跡踏査、ハイキングコースで最も多くの人々が訪れる場所として有名で、石仏を時代的に見ることができます。
順路は慶州市 鮑石路の西南山駐車場、「三陵をはじめ~三陵谷仏像群~上禪庵~金鰲峰~茸長寺谷石塔と石仏~茸長村」まで巡るコースで、全体的に仏教遺跡を鑑賞しながら回ると、所要時間は、6時間ほどかかります。
三凌探訪支援センター → 三陵まで(約 300m, 15分)
南山の入口には南山の案内図と三凌探訪支援センターがあります。
ここでは南山ハイキングのための準備運動をしながら、必要な情報を収集し、向かう準備をすることができます。
↑西南山入口の探訪支援センター
三陵探訪支援センターを過ぎ、山に沿って約300m上っていくと、右側にうっそうとした松林の中に三陵が現れます。
「三陵」は史跡第219号で、新羅第8代阿達羅(アダルラ)王、第53代神徳(シンドッ)王、第54代景明(キョンミョン)王など、朴氏3王の陵があります。 三陵谷とは、ここに新羅時代の朴氏3人の王の王陵があるということから名づけられました。
↑三陵(史跡 第219号)三陵 → 三陵渓 石造如来坐像まで(約 500m, 20分)
三稜から松林道のさわやかな松の香りを嗅ぎながら、よく整備された木の道に沿って登っていくと、渓谷に散らばっていた仏像と塔の彫刻が1ヶ所に集めてある場所も見られ、あちこちに案内表示板が設置されていて、初心者も簡単に見つけられるようになっています。
石畳に沿ってもう少し上っていくと、道の左側、大きな岩の上に頭のない仏が現われます。
「三陵渓石造如像」は、統一新羅の全盛期に作られた仏像で、豊かで凛とした気象が見られ、摩擦がほとんどない状態で保存されているため、服のしわも鮮明であり、リアルで繊細に表現されています。
ここから約2~30m、北側の尾根の方を見ると、とがった岩柱がそびえていますが、その岩の中にはにっこり微笑みを浮かべ、下界を見下ろしている「観世音菩薩像」が刻まれています。 頭に宝冠をかぶり、口元に微笑みを浮かべたまま、甘露瓶を持ち、現世中生の救済のため、今天上界から下界へと下降したようです。
↑三陵渓谷 磨崖観音菩薩像(有形文化財 第19号)
三陵渓 石造如来坐像 → 線刻六尊仏 まで(約 100m, 10分)
磨崖観音菩薩像を見学した後、三陵渓 石造如来坐像に戻り、上禪庵方向へ約100m進むと、分かれ道が現れます。 ここをまっすぐ登ると一般登山路で山頂に向かう道で、左側に見える小さな谷間を流れる小川を渡ると線刻六尊仏が見えます。 東西に広がる自然の岩面に線刻で刻まれた「線刻磨崖六尊仏像」は、まるで新羅の仏教絵画を見ているかのように彫刻の技法が精巧で優秀であり、韓国の線刻摩崖仏の中では最高とされています。
↑三陵渓谷 線刻六尊仏(有形文化財 第21号)
三陵渓谷 線刻六尊仏 → 線刻如来坐像まで(約 150m, 15分)
線刻六尊仏が刻まれた岩壁の上の方へ、尾根に沿って約150m登ります。 この区間は狭く急傾斜で滑りやすい山道です。 登る途中、空を見上げると正面に巨大な岩壁の岩面に刻まれている「線刻如来坐像」が見えます。 登るときは息切れがしますが、にこにこ笑って喜んでいるお釈迦様に会った瞬間、心が明るくなります。 南山で唯一の高麗初期の線刻如来坐像で、全体的に素朴な表現が施されています。摩崖仏参拝後、後ろを振り返ると南山の風景と慶州平野の眺望が一望できます。
↑三陵渓谷 線刻如来坐像 (有形文化財 第159号)
三陵渓谷 線刻如来坐像 → 石造如来坐像まで(約 120m, 10分)
摩崖仏を背景に南山の風景と慶州平野を眺め、右手に出る細道に沿って120m行くと、松林と岩に囲まれた、純白の花崗岩でできた「石造如来坐像」が華やかな蓮華台 の上に座っていらっしゃいます。 このお釈迦様の顔は丸く、両耳は短く表現されており、左肩にかけて着た服のしわは、簡潔で美しく表現されています。
↑三陵渓 石造如来坐像(宝物 第666号)
仏像の少し下には、大きな岩の尾根を基壇にした石塔跡があります。 その横に1/5に縮小製作された模型塔を見ることができ、本来の石塔は復元して国立慶州博物館の野外展示館に移して展示されています。
↑石塔の5/1縮小モデル
三陵渓 石造如来坐像 → 上禪庵まで(約 400m, 30分)
三陵渓 石造如来坐像を出て小川を渡ると、石段の道が広がります。ここから上禪庵までは400mの石段を登ります。
「上禪庵」で休憩が可能です。ミネラルウォーターとコーヒーを準備しており、有料でお買い求めいただけます。 無人で運営されている場合が多く、必要であれば書かれた金額を箱に入れます。
↑山道と上禪庵
上禪庵 → 碁岩 → 思想巖 → 金鰲峰まで(約 1.2km, 1時間)
上禪庵を出発して、少し上っていくと、磨崖釈迦如来坐像に向かう道は、落石の危険により制限されており、通れません。 今は、碁岩の方に回って思想巖を通り、金鰲峰に行くことができます。
「碁岩」は新羅時代の玉宝高が伽倻琴(カヤグム)を弾いていた場所で、眺望が良く、徐羅伐平野と北南山の風景が一望できます。 そして、碁岩の片隅にある「郵便ポスト」の絵葉書は、南山の思い出を書き、恋しい人に気持ちを込めて郵便で送ることができます。
↑碁岩から眺める慶州市の風景と郵便局
↑思想巖から見る三陵渓 磨崖釈迦如来坐像
思想巖から「金鰲峰」までは約800mの距離で、山の稜線に沿ってなだらかで、歩くのも楽です。 山頂の100m前に公衆トイレがあります。
↑左:思想巖、右:頂上隣の公衆トイレ
↑金鰲峰
金鰲峰 → 茸長寺谷 三重石塔まで(約 1km, 40分)
金鰲峰を出発し、茸長里までは3.5km、高位峰までは4.6km、統一殿までは4.2km、そして中間に抜けることのできる区間の薬水溪谷入口までは1.5kmの距離です。
金鰲峰から茸長里方向に下りていくと広い林道が続き、約500m地点にある茸長里スタートの稜線の山道に沿って下っていき、茸長渓 塔上谷第1寺址の塔部材を通ると、目の下に巨大な岩山を基壇にして、そびえ立つ茸長寺谷三重石塔が見えてきます。
尾根に登ると、南山で一番高い峰、高位峰を中心に伸びた稜線ごとに谷を形成し、約400mの大きな岩の上に建てられた石塔と、周辺の自然が調和して、美しい絵を眺めているようです。
茸長寺谷の東の稜線上に位置する「茸長寺谷三重石塔」は、約400mの高くて大きな岩山全体を下層基壇とし、自然と調和して建築された三重石塔です。 下層基壇の岩山が8万由旬の高い須弥山なら、岩山の頂上は四天王天です。 最初の基壇は忉利天となり、その上に段々と築いた塔身は、天国の仏の世界を表したものです。
茸長寺谷 三重石塔 → 茸長寺址 磨崖如来坐像と石造如来坐像まで(約 100m, 5分)
険しい階段道に沿って、さらに山の下に下りていくと、大きな岩面の磨崖如来坐像が迎えてくれます。
ここには「茸長寺址 磨崖如来坐像と石造如来坐像」があります。
韓国で類例のない三輪台座の上にある弥勒丈六像と、後ろには、巨大な自然の岩壁の南面に美しい蓮華の刻まれた台座の上に、磨崖如来坐像が衆生をご覧になっています。
↑茸長寺址 磨崖如来坐像(宝物 第913号)
↑茸長寺谷 石造如来坐像(宝物 第187号)
茸長寺谷 石造如来坐像 → 茸長寺址 → 雪岑橋 → 茸長村まで(約 2.4km, 1時間20分)
少し下の地点の茸長寺址塔材と石灯籠台がある場所から三重石塔を見上げると、空を背景に仏の世界にそびえる感激の風景が見られます。
山道を下りていくと、うっそうとした竹林の道が続き、森の中から風の音に乗って歌声が流れるような気分も爽快です。
途中の道端には散らばっていたものを集めた遺物も見え、通り過ぎる先々に案内表示板があり、昔から伝わる南山の伝説を語ります。
雪岑橋を経て茸長村までは約1.8km、緩やかな下山道は美しい渓谷に沿って続き、流れる水の音と森から聞こえてくる自然の音を友に、ゆとりを持って楽しむことができます。
下る途中に時間に余裕があり、新羅の薬師如来坐像を見ることができます。
[旅行 Tip]
南山ハイキングコースは岩山でアップダウンがあったり、木の根、石段が多いところです。ハイキング服装とハイキングシューズがおすすめです。リュック、帽子、雨具、手袋、お弁当と飲料水、ガイドマップを用意すれば、もっと安全に楽しめます。
[公共交通機関]
慶州市内から内南面行きの市内バス(500、505、507番)に乗り、三陵バス停からすぐ。 約30分所要。帰りは茸長里バス停から慶州市内行きの市内バスに乗ります。タクシー料金は、10,000~15,000ウォンです。
[地元でおすすめする飲食店]
▮食堂:三陵故郷ソンカルグクス(삼릉고향손칼국수)
▮ご住所:慶州市 三陵3キル(경주시 삼릉3길)、Tel: 054-745-1038
▮代表メニュー:ウリミル ソンカルグクス(우리밀 손칼국수)
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